独りよがりの世界
目の前が真っ暗になる瞬間というのを何度か経験した。
思い描いていた将来
守ろうとしていた約束
作ろうと思っていた家庭
行こうと思っていた旅行先
死ぬまで一緒にいるはずだった人
自分のアイデンティティーを構成する大きな一部分がほんのわずかの間になくなると、突然頭から布団をかぶせられたかのように視界が真っ暗になり、思考が停止し、何がおきたのかわからなくなる。
社内結婚
海外駐在
2人で移住
30歳まではおそらく平均以上の幸せを手にしていたに違いない。
恥ずかしながら、世界の中心は自分だとさえ思っていた。それを信じて疑わなかった。
でもそんな世界は、意外と簡単に、ほんの一握りの人が、自分の意図することとは違う決断をほんの少しするだけで、いとも簡単に崩れ去ってしまった。
変わらざるを得ない人生観
人の性格は変わらない。
だいたい、10代のうちに人生観や人間性は固まって、そこから変わることがない。
もし変わることがあるとすれば、それは人生のどん底に落ちたときだ。
激務に追われ、寝る時間も削り、精神的に疲弊したところで離婚した、それはまさに人生のどん底だった。
今まで信じてきた世界が崩れ居場所を失ったとき、自分を変える以外に生き残る方法は残されていない。
何を考えているのかわからない
そんな言葉をよくかけられるようになったのは、それからだ。
確かに、感情を表に出す機会は今までと比べれば圧倒的に少なくなった。
もともと感性が鈍いのではなく、鈍くならないと乗り越えられないほど苦しい状況を経験した不可抗力だ。
おかげで、今まで以上にロジックや合理性と身近になれた。
再出発をするということ
人を信じるといえば聞こえはいいが、でもそれはただ人に期待して甘えているだけ。
再出発してから意識しているのは、他人に期待しないということ。
期待するから、裏切られたときに落ち込む、だったら最初から期待なんてしなければいい。
パートナーにも、友人にも、会社にも、何も期待しない。
何も期待しないから、私になにも期待しないで欲しい。
感情よりもロジックを信じて、今やりたいこと、やるべきことは何か?
やったら何が得られるのか?
得られたものはその後どんな未来につなげられるのか?
それが前を向く最も簡単な方法だ。
未来だけを見る
他人と過去は変えられない、変えられるのは自分と未来。
そんな風に変わろうか…
どんな未来を作ろうか…
未来を創造するクリエイティブな時間が1番楽しくて生産的だ。
一度しかない人生、変えられないとわかっている他人や過去に思いをはせる時間はもったいない。
今を生き、今を楽しむ。
そのマインドを似たような境遇の誰かに分けて上げられたら、それもまたきっと生産的なことだと思う。